ペット保険で治療費を請求したら保険がおりなかった、という声をよく聞きます。ペット保険の加入時・更新時・請求時によくあるトラブルをご紹介します。実際にペット保険に加入している飼い主さんが体験した事例を通して、ペット保険のどこに気をつけたら良いかを知っておきましょう。

ペット保険のトラブル、事前に知っておけば防げることも

ペット保険のトラブルがよく起きる場面として、大きく分けて保険加入時、保険請求時、保険更新時が考えられます。

  • 【加入時のトラブル】思いがけない理由で加入を断られた、加入審査で予期しない病気が補償対象外となった、など
  • 【更新時のトラブル】更新時に補償対象外の項目が追加された、更新時に保険の継続を断られた、など 
  • 【請求時のトラブル】保険金が支払われない、保険の支払いが遅い、など

特に多いトラブルは、請求したのに保険金が支払われなかった、というケースです。事例を見ると防ぎようのないものもありますが、例えば「ペットを連れずに外来に行き、薬だけもらったら、薬代が補償されなかった」という事例のように、知っていれば回避できそうなトラブルもあります。
ペット保険に入ったのに全然使えない、という事態にならないようにするためにも、是非色々な事例をチェックしてみてください。

【加入時のトラブル】ペット保険に加入できないことがある

ペット保険に加入するには、原則、健康体であることが前提です。
ペット保険に加入するときには現在、過去の病気やケガを申告する必要があり、その内容をもとに審査が行われます。
その結果、現在すでに患っている傷病については基本的には補償の対象外となります。また重症化しやすい病気や、ほかの症状を引き起こす可能性のある病気が申告されると加入自体できないことがあります。

(参考)加入前は要注意!ペット保険にも「告知義務」がある!
(参考)ペット保険は病気でも入れる?既往症とペット保険について解説

加入を断られる可能性が高い傷病については、「引受不可傷病」などの名目で、ホームページ上などで明示している会社もあります。以下で一覧表にまとめましたので参考にしてみてください。

会社名加入できない可能性が高い病気・ケガ
アイペット損保心疾患、腎疾患、副腎疾患、肝胆疾患、糖尿病、フィラリア感染症、悪性腫瘍、脳・神経系疾患、甲状腺疾患、ホルネル症候群、猫伝染性腹膜炎(FIP)、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ、FIV)、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)、バベシア症、ヘモプラズマ症(旧:ヘモバルトネラ症)
ペッツベスト悪性腫瘍(ガン) 、腎不全 、糖尿病、重度の外耳炎 、脳・神経系疾患 、気管虚脱、肝硬変・肝不全 、ホルモン性疾患 、膵外分泌不全、先天性疾患(VSD、PDA、AS、PS、TOF) 、炎症性腸疾患(IBD)
●犬のダックスフンド(カニーンヘン、ミニチュア、スタンダード)、ウェルシュ・コーギー(カーディガン、ペンブローク)、ビーグル、フレンチ・ブルドッグの場合:椎間板ヘルニア
●猫の場合:猫伝染性腹膜炎(FIP)猫免疫不全ウィルス感染症(FIV)猫白血病ウィルス感染症(FeLV)
PS保険悪性腫瘍 (肥満細胞腫含む) 、腎不全 、糖尿病 、肝硬変(肝線維症) 、心疾患 、甲状腺疾患 、巨大結腸症 、巨大食道症 、膵外分泌不全 、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群) 、副腎皮質機能低下症(アジソン病) 、尿路結石(腎結石・尿管結石・膀胱結石) 、尿結晶症 (ストルバイト・シュウ酸カルシウム等) 、猫伝染性腹膜炎 、猫白血病ウイルス感染症 、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ) 、門脈シャント 、門脈低形成 、緑内障 、白内障 、水頭症 、犬糸状虫症 、慢性肝炎 、慢性膵炎 、てんかん (特発性てんかん含む) 、免疫介在性溶血性貧血 、免疫介在性血小板減少症 、炎症性腸疾患 (原因問わず:リンパ球形質細胞性腸炎・蛋白漏出性腸症等含む) 、自己免疫性疾患 (多発性関節炎・リウマチ、天疱瘡、全身性エリテマトーデス等) 、脳炎 、脳神経炎
ガーデン悪性腫瘍腎不全糖尿病肝硬変(肝線維症)、ホルモン性疾患(副腎、甲状腺、上皮小体などの疾患)、免疫介在疾患(免疫介在性溶血性日根血、免疫介在性減少症など)、膵外分泌不全猫伝染性腹膜炎猫白血病ウィルス、感染症猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)、門脈シャント犬糸状虫症(フィラリア症)、脳疾患(脳炎など)、停留睾丸において去勢を行っていないケース神経疾患(てんかん発作、けいれん発作含む)
au損保心疾患(僧帽弁閉鎖不全症など)、免疫介在性溶血性貧血(IMHA)、免疫介在性血小板減少症、巨大食道症 、膵外分泌不全、肝硬変、門脈シャント、腎疾患(腎不全など)、脳神経疾患(水頭症を含む)、てんかん様発作・けいれん発作、椎間板ヘルニア、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、糖尿病、副腎皮質機能低下症(アジソン病)、副腎皮質機能亢進症(クッシング病)、フィラリア症、猫後天性免疫不全症候群(FIV)、猫伝染性腹膜炎(FIP)、猫白血病(FeLV)、悪性腫瘍
ペット&ファミリー悪性腫瘍(ガン)、腎不全、糖尿病、肝不全、肝硬変、副腎皮質機能低下症・亢進症、免疫介在性溶血性貧血、巨大食道症(食道拡張症)、膵外分泌不全、猫伝染性腹膜炎、猫白血病ウイルス感染症、猫免疫不全ウイルス感染症、突発性てんかん、水頭症
アニコム損保悪性腫瘍、慢性腎不全、糖尿病、肝硬変(肝線維症)、副腎皮質機能低下症(アジソン病)、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、甲状腺疾患、免疫介在性血小板減少症、免疫介在性溶血性貧血、巨大結腸症、巨大食道症(食道拡張症)、膵外分泌不全、猫伝染性腹膜炎、猫白血病ウイルス感染症
アニマル俱楽部脳・中枢神経(小脳障害、前庭障害、その他脳の疾患 )、心臓・血液(免疫介在性溶血性貧血、動脈管開存症、その他心臓の疾患) 、骨・間接・神経(変形性脊椎症、リューマチ性関節炎、靭帯断裂、股関節脱臼) 、ウィルス・寄生虫(ヘモバルトネラ症、バベシア症、猫エイズウイルス感染症、猫白血病 ウイルス感染症、アリューシャン病)、消化器(肝不全、慢性肝炎、膵炎、膵外分泌不全、巨大食道症、巨大結腸症、 門脈体循環シャント、インスリノーマ)、呼吸器(気管虚脱、肺水腫、肺気腫、気胸、軟口蓋過長)、腎臓・泌尿器(慢性腎不全、慢性腎炎)、ホルモン系の病気(糖尿病、尿崩症、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)、アジソ ン病(副腎皮質機能低下症)、甲状腺機能低下症)、そけいヘルニア、 臍ヘルニア、 会陰ヘルニア、股関節形成不全、膝 蓋骨脱臼、レッグペルテス、 停留睾丸、フィラリア感染症、チェリーアイ、 白 内障、 緑内障
アクサ損保巨大食道症(食道拡張症)、肝硬変(肝線維症)、膵外分泌不全、糖尿病、副腎皮質機能低下症(アジソン病)、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、甲状腺疾患、免疫介在性溶血性貧血、免疫介在性血小板減少症、悪性腫瘍、脳炎、水頭症、慢性腎不全
FPC悪性腫瘍、 腎不全、 糖尿病、 肝硬変(肝繊維症)、 副腎皮質機能低下症(アジソン病)、 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、 甲状腺疾患、 免疫介在性疾患(免疫介在性溶血性貧血、血小板減少症など)、 巨大結腸症、 巨大食道症(食道拡張症・アカラジア)、 膵外分泌不全、 猫伝染性腹膜炎、 猫白血病ウィルス感染症、 猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)、門脈シャント、 犬糸状虫症(フィラリア症)、 脳疾患(脳炎など)、 停留睾丸(未去勢に限る)、水頭症、 眼疾患(緑内障、白内障など)、 心疾患
もっとぎゅっと(あんしんペット)脳炎、水頭症、免疫介在性血小板減少症、免疫介在性溶血性貧血、心疾患(弁膜症、不整脈、雑音、先天性心奇形症等)、リンパ管拡張症、猫白血病ウィルス感染症(FeLV)、猫免疫不全ウィルス感染症(猫エイズ(FIV))、犬糸状虫症(フィラリア)、肝不全、肝硬変、膵外分泌不全(EPI)、巨大結腸症、巨大食道症(食道拡張症)、猫伝染性腹膜炎(FIP)、腎不全、副腎皮質機能低下症(アジソン病)、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、糖尿病、甲状腺疾患
イーペットてんかん、神経症、けいれん発作、感染症等の後遺症がある場合、糖尿病、フィラリア感染症、悪性腫瘍、脳・神経疾患、甲状腺疾患、ホルネル症候群、猫伝染性腹膜炎、猫免疫不全ウイルス感染症、猫白血病ウイルス感染症、パベシア症、ヘモパルトネラ症
日本ペット共済申し込み後に審査
ペティーナ先天性疾患(てんかん等)のある犬・猫
ペットライフジャパン記載なし
SBIいきいき少額悪性腫瘍(ガン)、心疾患、腎不全、糖尿病、肝不全・肝硬変、緑内障、白内障、巨大結腸症、副腎皮質機能低下症(アジソン病)、副腎皮質機能亢進症(クッシング病)、甲状腺機能低下症・亢進症、免疫介在性溶血性貧血(IMHA)、自己免疫性疾患 、巨大食道症(食道拡張症)、膵外分泌不全(EPI)、犬糸状虫症(フィラリア症)、猫伝染性腹膜炎(FIP)、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ) 、てんかん(突発性てんかんを含みます)、水頭症、脳炎

しかし、「引受不可傷病」と明示されていない病気なのに、加入が断られるというトラブルも起こっています。実際に次のような事例がありました。

<事例>「引受不可傷病」ではない病気でも複数患っていると加入ができなかった!

愛犬に、「心雑音」と「フィラリア陽性」があることがわかっていた。事前に保険会社に確認したところ、「いずれの病気も現在治療中のため補償対象外項目にはなってしまうが、保険への加入はできる」と言われた。
しかし、申込時に両方の病気を告知書に書いたところ、加入不可能と言われた。それぞれが「引受不可傷病」にあたらなくても、複数重なると加入できなくなるなんて知らなかった。

このような場合、残念ながら審査の結果を覆すことは難しいでしょう。
他の保険会社ならば審査に通る可能性もあるので、保険会社を変えて加入審査を出してみるのも手です。
ただし、その際に病気を隠して加入申込をすることはしないでください。このような事前告知を正確に行うことは、保険加入者の義務です。事実を隠して加入したら、保険金が支払われないばかりでなく、法律で罰せられる場合もあります。正直に告知するようにしましょう。

(参考)加入前は要注意!ペット保険にも「告知義務」がある!

【加入時のトラブル】加入審査によって特定の病気が補償されなくなる


保険の加入自体は可能でも、保険契約前からかかっている病気やけが(既往症)や生まれつき持っている異常や病気(先天性疾患)は基本的に補償の対象外になります。

(参考)ペット保険は病気でも入れる?既往症とペット保険について解説

通常、今かかっている病気やケガについては、加入申込をしたときに個別に審査が実施されます。その結果、思いがけない病気が補償対象外になった例として、次のような実例があります。

<事例1>病気を告知したら他の部位の病気も対象外に!

保険申込をしたときに、愛犬が胃の病気で通院していたため告知をした。審査の結果、「治療中の胃の病気以外にも、腸などの消化器疾患や他種類の胃の病気についても補償の対象外項目になる」と言われた。
治療中の病気が補償対象外になるのはわかるが、その他の部分まで対象外になるなんて思わなかった…。

<事例2>病気を告知したら他の病気も対象外に!

加入時に現在外耳炎の治療中であることを告知したら、皮膚炎などの皮膚疾患がすべて補償されないと言われた。外耳炎と皮膚炎は原因がまったく違うし関係ないのではないかと抗議したが、保険会社の規定で同じ「皮膚疾患」とみなされると言われた。

これらの事例を見ると、治療中の病気と似たような病気や、近い部位で起こりそうな病気も対象外になる可能性があるとわかります。現在すでに病気やケガを患っているペットについては一度審査を受けてみて、補償対象外項目をチェックした上で「それでも加入するのか?」きちんと納得して保険に加入したいですね。

【更新時のトラブル】保険更新時に条件の改悪や継続拒否をされる

ここまでは「加入時」の例を紹介しましたが、「更新時」に補償対象外の病気が追加されたり保険の継続を断られたり、といった事例もあります。

<事例1>更新時に補償対象外の病気が追加された!

長年、猫のペット保険に加入している。ある年に慢性的な病気を発症したため、継続して通院し、保険を使用していた。しかし、翌年度の保険の更新時に、前年に治療した病気が補償外になると言われた。
これからも治療が続くのに保険が適用にならないなんて…。

<事例2>長年加入していた保険の継続を断られた!

高齢犬の肝不全や腎不全など様々な病気の治療にお金がかかり、年間の補償限度額近くまで請求したところ、翌年の保険継続を断られた。電話で理由を尋ねたが、審査の基準や更新拒否理由は公開できないと言われた。
長年保険料を払い続けたのに一番お金がかかるときに継続拒否をされるなんて、ひどすぎる。

ペットが高齢になるほど保険を活用したい場面も増えてきます。しかし、そんなときに更新を断られたり契約者に不利な条件を付けられたりしては「何のために加入したのかわからない」と不満を感じるのは当然です。

以下の表で各ペット保険会社の更新時の条件をまとめましたので参考にしてください。

会社名更新条件について
アイペット損保基本的には次年度も同じ契約条件で更新
PS保険更新時に補償対象外項目が追加されたり更新不可になったりする可能性があると約款に記載
また、同一傷病に対しては発症した年度の上限金額までの補償となる
ガーデン更新時に補償対象外項目が追加されたり更新不可になったりする可能性があると約款に記載
au損保基本的には次年度も同じ契約条件で更新
ただし、入院・手術に関して年間の上限額を超えて請求をすると保険が失効してしまう
ペット&ファミリー更新時に補償対象外項目が追加されたり更新不可になったりする可能性があると約款に記載
アニコム損保基本的には次年度も同じ契約条件で更新
ただし、保険の利用回数が多いと翌年度保険料が割り増しになる
アニマル俱楽部更新時に補償対象外項目が追加されたり更新不可になったりする可能性があると約款に記載
アクサ損保更新時に補償対象外項目が追加されたり更新不可になったりする可能性があると約款に記載
FPC更新時に補償対象外項目が追加されたり更新不可になったりする可能性があると約款に記載
もっとぎゅっと(あんしんペット)更新時に補償対象外項目が追加されたり更新不可になったりする可能性があると約款に記載
※HPには慢性疾患になっても補償対象外項目が追加されることがないと記載
イーペット更新時に保険料の増額や支払われる保険金の減額をされたり更新不可になったりする可能性があると約款に記載
※HPには慢性疾患になっても補償対象外項目が追加されることがないと記載
日本ペット共済更新時に補償対象外項目が追加されたり更新不可になったりする可能性があると約款に記載
ペティーナ更新時に補償対象外項目が追加されたり更新不可になったりする可能性があると約款に記載
SBIいきいき少額更新時に補償対象外項目が追加されたり更新不可になったりする可能性があると約款に記載

これを見ると、ほとんどのペット保険会社が「更新時に補償対象外項目が追加されたり更新不可になったりする可能性がある」ということを約款で明記しています。
ペット保険が一年契約になっており毎年契約更新されるのは、その都度条件が見直される可能性があるということです。もし不利な条件つきでの継続を提示された場合は、不利な条件を差し引いても続ける価値があるのか?じっくり考えて決めたいですね。

【請求時のトラブル】加入前に病気が発症していたと判断されて保険金が支払われない

加入時に補償対象外となる病気について説明があり、事前に納得したうえで保険に加入していればトラブルにはなりませんよね。
しかし、「補償の対象だと思っていたのに、いざ請求したら保険がおりなかった」というトラブルも多くあります。ペット保険のトラブルでもっとも多いのはこのような事例でしょう。
ありがちなのが、加入時点では病気の初期段階で飼い主も病気に気づかず、保険加入後に症状が重くなり治療時に行ったところ、「加入前からかかっていた病気」と判断されて保険がおりなかったケースです。このようなパターンの不払い事例を見てみましょう。

<事例1>生まれつきチェリーアイになりやすいと判断され保険がおりなかった!

愛犬がチェリーアイになり整復手術を受けた。手術費や検査費など、合わせて約5万円を請求したところ、生まれつきチェリーアイになりやすいため保険はおりないと言われた。
生まれつきなりやすい子でも症状が無ければ適用になると思っていた。

※チェリーアイとは…犬や猫の目頭側についた薄い膜状のまぶた(第三眼瞼・瞬膜ともいう)の裏側にある腺組織が飛び出して炎症を起こした状態。赤い眼瞼腺が腫れ上がる様子からこのように呼ばれる。ケガなどでも起こるが、先天的に第三眼瞼と眼瞼腺の結合が弱いために発症することもある。

<事例2>僧帽弁閉鎖不全症、症状が出てからでは保険がおりなかった!

保険に加入して2か月経ったころ、高齢の愛犬が咳をするようになったため病院に連れて行ったところ、僧帽弁閉鎖不全症と診断され、通院がはじまった。
通院にかかる医療費や、薬代を請求したところ、「保険開始の前から症状が始まり、知らないうちに進んでいた」と、保険会社が判断したため、補償対象外になってしまった。

※僧帽弁閉鎖不全症とは…心臓にある弁のひとつである僧帽弁がうまく閉じないため、血液の逆流が起こる病気。長い時間をかけて進行し、高齢期になって息切れ、食欲低下などの症状が出ることがある。血管を拡張させる薬などの投薬を行う。

<事例3>環椎軸椎不安定症の原因が先天性と言われ、保険が支払われなかった!

愛犬がうまく立てない状態になり首の痛みがあるようなので検査を受けたところ、環椎軸椎不安定症と診断された。その場で手術、入院となった。
検査、手術、入院費を請求したが、原因が首の骨の先天的な異常にあったということで、保険がおりなかった。

※環椎軸椎不安定症とは…首の一番目の骨(環椎)と二番目の骨(軸椎)が不安定になり脊椎を傷害することにより、首の痛みや四肢の麻痺がおこる病気。二つの骨をつなぐ部分の先天的な異常や欠陥により起こることがある。

これらの事例のように、先天的な異常などが、ある時突然症状として現れることがあります。加入時に健康診断結果を提出させるペット保険もありますが、後に病気を引き起こす異常がすべてわかるとは限りません。飼い主にとっては予期せぬトラブルだけに、保険金が出ない、と言われても納得しづらいところです。

【請求時のトラブル】約款で補償対象外の傷病と指定されていたため保険金が支払われない

保険会社によっては「特定傷病除外特約」のような名目で、あらかじめ補償対象外となる病名が約款などに明示されている場合もあります。
約款まで細かく注意して読んで保険を選ぶ方はほとんどいないため、保険金が支払われなかったことで初めて約款を確認することが多くあります。

<事例>てんかんが補償対象外の病気だったため保険金が支払われなかった!

愛犬がてんかんになり、発作が頻繁に起きるようになってきたため治療を開始。てんかんを抑える薬の費用を保険請求したところ、保険がおりなかった。
「特定傷病除外特約」で補償されない病気として明記していると言われたが、保険に入るときはそんな項目があるなんて知らなかった…。

約款をすみずみまで確認するのは、時間も手間もかかりますが、事前に知っておけばこういったトラブルは避けられます。
以下の表でペット保険会社ごとの「特定傷病除外特約」(代表的なもの)をまとめましたので、参考にしてみてください。

会社名膝蓋骨脱臼股関節形成不全レッグペルテスてんかんチェリーアイ気管虚脱椎間板ヘルニア
アイペット損保
PS保険
ガーデン××××××
au損保
ペット&ファミリー△ 交通事故が原因の場合のみ補償
アニコム損保
アニマル俱楽部××××××
アクサ損保△ 発症した年度のみ補償△ 発症した年度のみ補償△ 発症した年度のみ補償
FPC
もっとぎゅっと(あんしんペット)××××××
イーペット
日本ペット共済××××××
ペティーナ
SBIいきいき少額××

※表は右にスクロールできます。
○→対象外と明記なし △→一部対象と明記 ×→対象外と明記

トラブルを避けるために、お家のペットがなりやすい病気が特定傷病として明示されていないか事前に確認した上でペット保険を選ぶことが重要です。

【請求時のトラブル】そのほかにも保険金が支払われないケースがある

保険金が支払われなかった事例はほかにもあります。実際に次のような事例が報告されています。

<事例1>同じ原因で手術を2回受けたら2回目は補償されなかった!

手術の回数に制限のない保険に加入していたのに、同じ原因の病気で2回手術をしたら、2回目は保険がおりなかった。後からホームページを見たらわかりづらい小さな文字で説明があった。

<事例2>愛犬同伴で診察をしないと保険がおりなかった!

1回目の通院で処方された薬がなくなったので動物病院に薬をもらいに行った。症状に変化が無かったので診察は必要ないと思い、病院には犬を連れていかなかったが、ペットを連れて行かなかったため、保険がおりなかった。

<事例3>外国の薬は保険の対象外だった!

動物病院で外国の薬を処方されたが補償対象外だった。日本では未認可の薬だったことが原因らしい。

いずれも、少しイレギュラーな状況のようですが、事前に保険会社に問合せをすることで対処できるものもありそうです。
どのペット保険会社も問合せ窓口がありますので、気になることがあったら加入前に電話して確認してみましょう。

(参考)PS保険(ペットメディカルサポート)の手術補償の落とし穴

【請求時のトラブル】保険金の支払いが遅い

ペット保険の中にはアニコムやアイペットのように、動物病院の窓口で保険金を請求できるタイプのものがあります。
しかし多くの保険会社は、いったん窓口で全額支払いあとから明細書などを保険会社に送付して保険金を請求するタイプです。
保険金はおおむね30日を目安に支払う、としているペット保険が多いようです。
しかし、目安となる支払日を過ぎても支払われない、というトラブルもあります。

<事例>保険金の支払いまでに3か月もかかった!

後日請求するタイプの保険に加入。内臓疾患で保険を請求したが、ほかの部位の疾患に原因があるのではないか、という疑いが浮上。病院も交え、詳しい検査や調査が行われた。その結果、支払いが3か月後になってしまった。

支払いまでの期間はひとつの目安とは言え、事例のように3か月後になっては不安になります。しかし、この事例のように、保険会社とやり取りができていれば安心して支払いを待つことができます。支払い時期について不安があるときは、加入者用の窓口に相談してみましょう。

まとめ

ここまで、

  • ペット保険に加入できないケース
  • 加入はできるが特定の病気が補償対象外になるケース
  • 保険更新時に補償内容の改悪や継続拒否をされるケース
  • 加入前からの病気だと判断されて保険金が支払われないケース
  • 事前に補償対象外の傷病と指定があったため保険金が支払われないケース
  • 保険金の支払いが遅いケース

の事例をみてきました。

「もしものときの金銭的負担を減らしたくてペット保険に加入しているのに、いざ請求したらお金がおりなかった…こんな保険なら加入しなければよかった!」と後悔しないために、次のようなことに注意しましょう。

  • 加入前審査で補償対象外に設定された病気に納得した上で加入する
  • 加入時に治療中のケガ、病気は補償されないなど、基本的な条件を把握する
  • 予期しない理由で不払いになる可能性があることも知る
  • 事前に補償の対象にならない傷病をチェックしておく
  • 気になることは事前に保険会社に問い合わせる

ペット保険も人間の保険と同じで、保険会社がお金を払わない条件がたくさん設定されています。
例え保険がおりない状況でも、ペットに最良の治療を受けさせたい気持ちは変わりませんよね。トラブルの事例を知ることでペット保険の弱点も見えてくると思います。
ペット保険のメリット・デメリットと把握した上で、ペット保険と上手につきあう知恵を身につけていきたいですね。

当サイトではさまざまな視点でペット保険について紹介しています。
よろしければ以下のページも参考にしてみてください。