イングリッシュ・セッターは今も昔も鳥獣犬として活躍している犬種で、非常にタフな体と体力を持っています。タフな体をしているとはいえ、遺伝的な目の疾患や大型犬がかかりやすいとされる病気には注意が必要です。
イングリッシュ・セッターがかかりやすい病気と、おすすめのペット保険をご紹介します。

エレガンスな見た目としつけやすさが特徴のイングリッシュ・セッター

イングリッシュ・セッターの性格

イングリッシュ・セッターの歴史は古く、なんと15世紀頃までさかのぼります。かつては鳥猟犬として活躍しており、銃猟の普及とともに発展していきました。

19世紀頃にはイングリッシュ・セッターの愛好者が急激に増え、セッター種の中で一番人気だといわれるまでになりました。
ちなみに、このセッターという名前は、獲物を前にしてしゃがみこむ仕草「セッティング」から取ったといわれています。

長くて美しい被毛と、スラリと伸びた四肢が特徴のイングリッシュ・セッターは、優雅で気品に溢れています。
大型犬に分類されていますが、大型犬にしてはやや小さめのサイズです。男の子・女の子ともに平均体重は25~30kgで、体高は60~70cmほどです。

性格は穏やかで優しく、大変人懐こいです。
その穏やかな性格は顔つきにも現れており、とても優しい瞳をしています。
子どもともうまく関係を築くことができ、よきパートナーとなってくれます。

また、猟犬としての血を受け継いでいるため、活発な性格をしています。
体力があって運動神経も良いため、ドッグスポーツではいかんなく才能を発揮します。

イングリッシュ・セッターは、比較的しつけのしやすい犬種です。
利口で聞き分けがよく、我慢強さも兼ね備えているため、さほど手間はかからないでしょう。

イングリッシュ・セッターは、非常に豊富な毛色を持っています。
ブラック&ホワイト、オレンジ&ホワイト、レモン&ホワイト、レバー&ホワイト、トライカラーなどが存在しています。どのカラーも美しく、目が釘付けになります。

飼いかたの注意点

イングリッシュ・セッターは活発で体力もあるため、かなりの運動量を要します。
毎日60分以上の散歩を、2回以上行うことが理想的です。
毎日の散歩だけでは十分だといえませんので、家でオモチャを使って遊んだり、週に数回ほどドッグランで走り回らせたりしましょう。
元々鳥獣の回収を行っていたため、ボールやロープなどを取ってくる遊びも好みます。

また、イングリッシュ・セッターはドッグスポーツ向きの犬種ですので、ドッグスポーツを行って運動不足を解消するのもいいでしょう。
持ち前の持久力と高い身体能力を存分に活かすことができます。

毛が長いイングリッシュ・セッターは、毎日のブラッシングが欠かせません。
特に胸元や脚、しっぽに付いている飾り毛は絡まりやすいため、コームを使って丹念にブラッシングをしましょう。
毎日ブラッシングを行うことで、艶のある美しい被毛が維持できます。

実はイングリッシュ・セッターには猟犬向きの「フィールドタイプ」と、ドッグショー向きの「ショータイプ」の2種類が存在しています。
ショータイプはフィールドタイプに比べ、毛が長くて飾り毛が豊富であるため、よりこまめなお手入れが必要となります。

イングリッシュ・セッターは抜け毛も多く、特に毛の生え変わり時期はたくさんの抜け毛が見られます。部屋に毛が落ちたり、服に毛がつくことは覚悟しておいた方がよいでしょう。

大型犬であるイングリッシュ・セッターを飼育する場合は、広いスペースが必要です。
自由に動き回ることができ、なおかつ体よりも少しゆとりを持った広さが好ましいです。
狭いところに押し込めると、ストレスに繋がりますし、骨が変形してしまう恐れもあります。

かかりやすい病気とその治療費を知っておこう

イングリッシュ・セッターは遺伝疾患に加え、大型犬がかかりやすい病気にも注意が必要です。

イングリッシュ・セッターが特にかかりやすい「進行性網膜萎縮症」「皮膚病」「股関節形成不全」について詳しく説明していきます。

進行性網膜萎縮症

眼球を覆っている膜の中で最も内側にある「網膜」が縮み、変性することで起こる目の病気です。
発症の原因は不明とされており、遺伝的な要因が大きいといわれています。生後数か月でかかる場合もあれば、成犬になってからかかる場合もあり、発症の年齢は様々です。

どの犬種でもかかる可能性はありますが、イングリッシュ・セッターは特にこの病気にかかりやすいとされています。

初めは、暗いところでの視力障害、壁や物にぶつかる・つまずく、動くものを目で追わなくなる、などの症状が見られます。
症状が進行するにつれて徐々に視力が失われ、日中や明るいところでも目が見えづらくなります。そして、最終的には失明してしまうのです。

【治療費について】
萎縮した網膜は元に戻らないため、今のところ根本的な治療法はありません。しかし、この病気にかかると「白内障」や「緑内障」を発症する恐れがあるため、定期的な通院や検査が必要になります。

通院
治療費5,000 ~ 1万円/回

進行性網膜萎縮は、長期間に及ぶ通院が必要になる可能性があります。そのため、通院回数に制限がない、あるいは回数が多めに(20日以上~)設定してあるペット保険を選ぶことがポイントです。

【獣医が解説】犬・猫の進行性網膜萎縮症の症状・原因・予防・対策・治療方法と治療費まとめ

皮膚炎

皮膚炎になると、皮膚に炎症が起こって“痒み”を感じるようになります。
特に脇の下や脚の付け根、耳や目のまわり、指の間などの皮膚が弱い部分に症状が出やすいようです。全身のチェックに加え、先ほどの挙げた箇所をこまめにチェックしてあげてください。

【治療費について】
細菌感染が原因の場合は、抗生物質を含む内服薬や塗り薬を与えます。痒みが強い場合は、抗炎症剤を投与します。

アレルギーが原因の場合は、アレルゲンを特定する検査を行います。冷暖房器具から空気中にアレルゲンをまき散らしてしまっている可能性もあるので、綺麗に掃除をし、加湿器などで乾燥対策をしてください。

通院(通算5~10回)
治療費3,000 ~ 5,000円/回

完治するまでは定期的な通院が必要になり、全部で1~5万円の治療費が必要になります。皮膚炎は再発する場合もあるので、長期の通院を補償してくれるペット保険を選ぶことをおすすめします。

(参考)【獣医が解説】犬・猫の皮膚炎の症状・原因・予防・対策・治療方法と治療費まとめ

股関節形成不全

股関節形成不全とは、太ももの骨と骨盤を繋いでいる“股関節”に異常が起きる病気です。
この病気は、生後半年から1歳までの間に発症することが多いです。発症の原因は明らかになっていませんが、遺伝的なものが大半だとされています。

股関節形成不全を発症している犬は骨盤の成長が不完全であるため、股関節が変形していたり、太ももの骨が入る穴が浅かったりします。その結果、太ももの骨が本来あるべき位置に固定されず、歩く度に骨がズレて痛みを感じます。

症状が進行するにつれて痛みが増し、運動を嫌がる、スキップのような歩き方をする、散歩の途中で座り込むなどの行動が見られるようになります。重度の股関節形成不全になると、少しの段差から飛び降りるだけで脱臼を起こすことがあります。

遺伝的なものが原因ですので、発症を防ぐことは難しいですが、筋肉量を増やしたり、股関節へ負担をかけないようにしたりすることで、症状を和らげることができます。

【治療費について】
骨が発達していない成長期の段階や、症状が軽度の場合は「安静療法」をとります。症状が進んで痛みが生じている場合は、鎮痛剤や抗炎症剤などの「投薬治療」を行います。それ以上に症状が重い場合は、外科手術が必要になることもあります。

手術には麻酔などのリスクが伴いますので、獣医さんと十分に話し合ってください。

通院手術・入院
治療費2,000 ~ 5,000円/月10 ~ 40万円

手術方法や入院期間によって治療費は異なりますが、入院費を含めると治療費は高額になると考えられます。

股関節形成不全の場合、補償対象外項目になっているペット保険会社があるので、注意してください。全額自己負担となる前に、しっかりとペット保険を選びましょう。

イングリッシュ・セッターに適したペット保険の補償内容と保険料

ペット保険がたくさんあってどれにしようか迷われている方は、かかりやすい病気に備えられるプランを探してみてください。
かかりやすい病気からイングリッシュ・セッターに合ったペット保険を選ぶポイントを3つにまとめました。

ポイント1:免責金額が設定されていないこと

ペット保険はプランによって免責金額が設定されているものがあります。
免責金額があると、設定されている金額分は補償されません
例えば、免責金額が5,000円で、1回の治療が3,000円なら一切補償が受けられないということになります。そんなことになるとペット保険に入っている意味がないですよね。

1日にかかる通院の平均治療費は8,000円(当研究所調べ)とされています。しかし、診察料と簡単な処置だけなら1,000~4,000円程度で済むこともよくあるでしょう。
イングリッシュ・セッターがかかりやすいとされる進行性網膜萎縮症や皮膚炎にかかると、通院が多くなりがちです。しっかりと補償を受けるためにも免責金額がないペット保険をおすすめします。

ポイント2:長期の通院、ある程度の手術を補償すること

ペット保険の補償内容には1日に補償される医療費の限度額と、1年に補償される限度回数が決められているものがあります。
イングリッシュ・セッターがかかりやすいとされる進行性網膜萎縮症や皮膚炎にかかると、通院が多くなりがちです。
そのため、目安として通院の限度額は平均治療費の8,000円(当研究所調べ)以上、また、回数はできれば無制限、最低でも20日以上あるものを選ぶとよいでしょう。

また、イングリッシュ・セッターは、股関節形成不全で手術を行う可能性も考える必要があります。手術も、最低でも10万円は補償するものを選ぶとよいでしょう。

通院と手術に加え、手術に付帯することもある入院まで補償するペット保険を選びます。

通院、手術、入院を補償するペット保険は種類が多いため、できる限り補償の手厚いものを選ぶようにします。
補償の手厚さを示す「年間補償限度額」(1年間に補償される治療費の上限)が高いほど補償が手厚いといえるので、50%補償タイプなら50万円以上、70%補償タイプなら70万円以上のものを基準にするとよいでしょう。

ポイント3:股関節形成不全を補償すること

ペット保険にはもともと補償されない病気(補償対象外項目)を設定しているものがあります。もし、かかりやすい病気がその補償対象外項目に指定されていると、受診しても保険金は補償されません。
イングリッシュ・セッターがかかりやすい病気が補償対象外項目に指定されていないか確認してみたところ、「股関節形成不全」がいくつかのペット保険で補償対象外になっていることがわかりました。受診する可能性を考えるとこのペット保険は選ばない方が良さそうです。

<股関節形成不全を補償対象外にしている保険会社>

  • あんしんペット
  • 日本ペットプラス(ガーデン)
  • アニマル俱楽部

(参考)ペット保険のトラブルを避けるには?保険がおりない、更新できないことも!?

イングリッシュ・セッターに適したペット保険の補償内容と保険料

イングリッシュ・セッターにぴったりなペット保険を、先ほど紹介した3つのポイントから探してみましょう。

ポイント2より、通院、手術、入院をすべて補償するペット保険の中から、ポイント1の「免責金額がないペット保険」をピックアップしました。
ペット保険の補償割合は、50%~100%補償のものまで様々ですが、今回は一般的な補償割合である50%補償、70%補償のペット保険から選んでみましょう。

50%補償プラン

会社名商品名生涯保険料(大型犬・15歳まで)年間補償限度額通院入院手術
FPCフリーペットほけん455,400 円85万円12,500円/日
年間30日まで
125,000円/入院
年間3入院まで
100,000円/回
年間1回まで
PS保険50%補償プラン537,190 円100万円10,000円/日
年間20日まで
20,000円/日
年間30日まで
100,000円/回
年間2回まで
日本ペットプラス(ガーデン)プラチナ50%プラン575,010 円50万円制限なし制限なし制限なし
アクサ損保いぬのきもち保険プラン50675,160 円50万円制限なし制限なし制限なし
SBIいきいき少短プラン50スタンダード705,050 円50万円制限なし制限なし制限なし
イーペットe-ペット50774,430 円60万円制限なし制限なし制限なし
ペット&ファミリーげんきナンバーわんプラン50815,830 円50万円制限なし制限なし制限なし
アニコム損保ふぁみりぃ50%プラン904,520 円60万円10,000円/日
年間20日まで
10,000円/日
年間20日まで
100,000円/回
年間2回まで
アイペット損保うちの子50%プラン1,577,340 円73万円12,000円/日
年間22日まで
12,000円/日
年間22日まで
100,000円/回
年間2回まで
au損保通院ありタイプ50%コース1,683,460円50万円制限なし制限なし制限なし

※表は横にスクロールできます。

70%補償プラン

会社名商品名生涯保険料(大型犬・15歳まで)年間補償限度額通院入院手術
FPCフリーペットほけん70%補償プラン568,900 円85万円12,000円/日
年間30日まで
125,000円/入院
年間3入院まで
100,000 円/回
年間1回まで
PS保険70%補償プラン685,890円100万円10,000円/日
年間20日まで
20,000円/日
年間30日まで
100,000円/回
年間2回まで
日本ペットプラス(ガーデン)プラチナ70%プラン804,710円70万円制限なし制限なし制限なし
あんしんペットずっといっしょL840,910円70万円制限なし制限なし制限なし
アクサ損保いぬのきもち保険プラン70894,050円70万円制限なし制限なし制限なし
ペットライフジャパンプレミアム70911,950 円115万円15,000円/日
年間37.5万円まで
15,000円/日
年間37.5万円まで
200,000円/回
年間40万円まで
SBIいきいき少短プラン70スタンダード987,070円70万円制限なし制限なし制限なし
イーペットe-ペット701,073,750円60万円制限なし制限なし制限なし
ペット&ファミリーげんきナンバーわんプラン701,089,130円70万円制限なし制限なし制限なし
アニコム損保ふぁみりぃ70%プラン1,322,010円84万円14,000円/日
年間20日まで
14,000円/日
年間20日まで
140,000円/回
年間2回まで
アイペット損保うちの子70%プラン2,132,870円122万円12,000円/日
年間22日まで
30,000円/日
年間22日まで
150,000円/回
年間2回まで
au損保通院ありタイプ70%コース2,312,570円70万円制限なし制限なし制限なし

※表は横にスクロールできます。

ポイント2の「通院は限度額が8000円以上、限度日数が20日以上、手術は1回10万円以上、年間補償限度額が50万円・または70万円以上」は、すべてのペット保険が満たしています。

ポイント3の「股関節形成不全を補償する」では、この病気を補償対象外項目に指定しているあんしんペット、日本ペットプラス(ガーデン)は除外できます。

その結果、50%補償は9種類、70%補償は10種類の候補が残りました。
これらは補償内容を数字で見るとすべて十分な内容であるといえるので、もう一つ重要なポイント「保険料」で比較していきましょう。
大型犬は小型犬に比べ、保険料が高額になることが多いため、保険料をしっかり見て選ぶことが大切です。

ペット保険の保険料は、若いときは安く、高齢になるほど高くなります。
そのためペット保険の保険料を比較する際には一生涯にかかる保険料で比較することが重要です。
それぞれの生涯保険料(0~15歳までの保険料の合計)を比べてみると、50%補償なら50万円以下、70%補償なら70万円以下のものが比較的リーズナブルで継続しやすいペット保険と言えます。

補償内容・保険料ではおすすめの2つのペット保険ですが、PS保険は気になるデメリットがあります。

PS保険の50%補償プラン、70%補償プラン

PS保険のデメリットは「生涯にわたって継続的に行っていく慢性疾患(心臓病や皮膚病など)の治療の場合は、最大でも一生涯20日まで補償」というものです。

病気が完治したと判断された場合には日数がリセットされるようですが、同一原因による皮膚炎などの再発については、審査内容によっては20日を超えた分の通院補償がされない可能性があります。

イングリッシュ・セッターがかかりやすい進行性網膜萎縮や皮膚炎は、長期の通院が必要になる可能性がある病気です。そのため、PS保険では十分な補償が受けられない可能性が考えられます。
たとえ生涯保険料が安くても選ばない方が良さそうです。

(参考)PS保険(ペットメディカルサポート)の通院・入院補償の落とし穴

このように、ペット保険にはあまり目立っていないデメリットが隠されている場合があるので、それぞれの特徴をよく確認したうえでペット保険を選ぶ必要があります。
なおFPCについては、イングリッシュ・セッターがかかりやすい病気で紹介した病気も補償してくれそうなのでおすすめです。

イングリッシュ・セッターにおすすめ!「FPCのフリーペットほけん50%補償プラン、70%補償プラン」の特徴

イングリッシュ・セッターにおすすめのペット保険として選ばれた「FPCのフリーペットほけん」は、どんな特徴があるのでしょうか?
ポイントをまとめたので、こちらも保険選びの参考にしてみてください!

FPCのフリーペットほけん50%補償プラン、70%補償プラン

  • 高齢になっても上がりにくい料金設計になっているので継続しやすい。
  • 通院を手厚く補償する。入院と手術もカバーするが、手術補償は年間1度のみ。
  • 年間補償限度額が85万円と高額に設定してある。
  • カスタマーサービスにも定評がある。

まとめ

ペット保険の種類が多くどれにするか決めかねているという方は、ペットがかかりやすい病気に合わせてペット保険を選んでみてもいいかもしれません。以下のポイントを参考に、イングリッシュ・セッターに合った商品を探してみてください!

免責金額が設定されていないこと

長期の通院・ある程度の手術を補償すること

股関節形成不全を補償すること

イングリッシュ・セッターにおすすめのペット保険は「FPCのフリーペットほけん50%補償プラン、70%補償プラン」

当サイトではほかの犬種・猫種におすすめのペット保険についても紹介しています。
よろしければ以下のページも参考にしてみてください。