ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーの人気が高まったことで、一時期は絶滅寸前まで個体数が減少したというフラットコーテッド・レトリーバー。レトリーバーの中でも細身な体で、軽快な動きを見せるこの犬種は運動が大の得意です。
筋肉質かつ大型犬で頑丈にも見える犬種ですが、関節の疾患などいくつか注意すべき病気があります。フラットコーテッド・レトリーバーがかかりやすい病気とおすすめのペット保険をご紹介します。

ガン・ドッグの優等生!フラットコーテッド・レトリーバー

フラットコーテッド・レトリーバーの性格

「フラッティ」の愛称で親しまれているフラットコーテッド・レトリーバーの誕生にはいくつか説がありますが、泳ぎの得意なニューファンドランドやチェサピーク・ベイ・レトリーバーの小型のものと、嗅覚が優れたセッターなどを掛け合わせて作出されたといわれています。
元々は銃を使って鳥や小型動物の猟をする人の補佐役として活躍するガン(gun:銃)・ドッグで、快活で活動的な性格に合わせ、麻薬犬や捜索犬にも抜擢される程の優れた嗅覚や、レトリーバーにしては細身ながら筋肉質な体を持っていることから“天賦のガン・ドッグ”ともいわれている犬種です。

フラットコーテッド・レトリーバーは、狩人の補佐役に最適な社交的で利口な性格や、狩猟を行う上で欠かせない高い運動神経にバランスのとれた体など、生まれながらの才能が評価されてきました。

元気に尾を振って近寄ってきたり、顔を舐めてきたりと、感情を豊かに表現するフラットコーテッド・レトリーバーは、愛情深く人懐っこい陽気な性格です。賢明で理解能力も高いためしつけもしやすく、現在は家庭犬としても人気があります。

やや飽きっぽい一面もあるようですが、遊びやスキンシップにバリエーションを持たせることで意欲を引き出すことができるでしょう。

飼い方の注意点

フラットコーテッド・レトリーバーはかつて水中に撃ち落とした鴨を回収していたこともあり、水陸どちらにも通用するスタミナとスポーツセンスを持っている犬種です。運動量が多く活発なため、運動不足にならないよう注意しましょう。

また、フラットコーテッド・レトリーバーは陽気な性格から、成犬になってもやんちゃな子が多いといわれている犬種で、ある程度落ち着きをもたせるためにも、十分な運動でストレスを発散させる必要があります。
水泳、フリスビーやボール遊びの他、飼い主との自転車と並走してのランニング、障害物競争のようなハードな運動も得意です。朝晩30分~1時間程度、飽き性な性格を考慮して日替わりでさまざまな運動を取り入れるといいでしょう。

抜け毛は少ない犬種ですが、直毛の被毛はやや長さがあるため毛玉に注意し、艶を保つためにも週に2~3日に1度ブラッシングを行います。

かかりやすい病気とその治療費を知っておこう

大型犬であるフラットコーテッド・レトリーバーは関節の疾患「股関節形成不全」に注意すると共に、食後の運動が原因にもなる「胃拡張・胃捻転」の他、もともとかかりやすいといわれている「白内障」にも気をつけましょう。フラットコーテッド・レトリーバーがかかりやすい病気や治療費についてご紹介します。

股関節形成不全

成長していく段階で股関節が変形していくことが原因で引き起こされます。発症のほとんどが遺伝によるもので、栄養の偏りなども関与していると言われています。
関節が噛み合わないので歩行異常が現れ、運動を嫌がるようになったり、スキップのような歩き方をしたりします。こういった症状は、体重が急激に増加する生後6か月あたりから多くみられるようになります。
先天的に股関節が不安定で疾患を発症しやすいフラットコーテッド・レトリーバーもいるようです。定期健診などで症状を早く発見することも重要となります。

【治療費について】
歩き方や股関節の状態を見て、症状の程度を観察します。鎮痛剤の投与や運動制限、食事管理など内科治療を行い、改善がみられない場合は股関節の外科手術を行います。手術には「三点骨盤骨切り術」、「股関節全置換術」、「大腿骨頭切除術」などの方法があり、ペットの状態に合わせて選択されます。

通院(通算3~6回)手術・入院(2~10日)
平均治療費5,000~1万円/回30万~50万円/回

通院のみで症状が改善し、良好な生活を送れるようになることもあります。動物病院にもよりますが通院の場合は1~5万円、手術を行った場合は30~60万円ほどと高額な治療費が必要です。

胃拡張・胃捻転

胃が拡張することを「胃拡張」、それによって胃がねじれてしまった状態のことを「胃捻転」といい、ショック状態に陥ることもある病気です。
発症の原因として、食後の過度な運動や胃の中のガスや液体が異常に増加することなどが考えられます。フラットコーテッド・レトリーバーは運動好きですので、食事のあとは体を休めるようにし、興奮させないように注意しましょう。
胃拡張・胃捻転になると嘔吐症状や大量のよだれなどの症状があらわれます。その後、呼吸困難や脈圧が低くなるなどショック症状を起こし、そのままにしておくと死亡する場合があります。

【治療費について】
ガスを抜いて胃の拡張を解消する治療や、食生活を見直すことによって胃拡張の予防を促します。ショック症状の場合はステロイドの投薬や点滴を行い落ち着かせます。
また、重症の場合は、外科手術によって胃を正常な位置に戻す治療を行います。

通院(通算1~3回)手術・入院(3~5日)
治療費5,000~1万円/回10万~20万円/回

軽度の場合は通院だけで改善することもありますが、重症の場合はショック症状後すぐに手術を行います。動物病院への受診頻度にもよりますが、通院で1~3万円、手術・で入院10~30万円ほど必要になるでしょう。

白内障

目の水晶体が白く濁り、視力が低下してしまう病気を「白内障」といいます。症状が軽度の場合は白濁の状態を確認でき、歩くことを嫌がったり、周りのものにぶつかったりと、視覚障害があらわれます。
フラットコーテッド・レトリーバーは他の犬種に比べ、若い時期からかかりやすいとされているため注意が必要です。

【治療費について】
症状が軽度でまだ視力が残っている場合は、内服薬と点眼薬の投与によって進行を抑えます。視力がほとんど失われてしまった場合は、視力を取り戻す外科手術を行うことがあり、手術後の合併症やケアなど、獣医師とよく相談することが大切です。

通院手術・入院(2~5日)
治療費3,000 ~ 5,000円/回8万 ~ 15万円

内服薬の投与は一度で3,000~5,000円程度ですが、通院は一生続けなければなりません。手術をする場合は、入院費など含めて10万~20万円と高額になってしまいます。
手術だけでなく、長期的な通院も補償してくれるプランを選ぶことが、大切になります。

フラットコーテッド・レトリーバーにおすすめのペット保険選びのポイントは3つ

かかりやすい病気を見てみるとフラットコーテッド・レトリーバーにどんなペット保険が合っているのか見えてきますね。
そこで、ペット保険を選ぶポイントを3つにまとめてみました!

ポイント1:通院・入院・手術を高い割合で補償すること

フラットコーテッド・レトリーバーがかかりやすい病気の治療方法を見ると、通院も手術も必要になりそうだとわかります。
ペット保険の中には、通院のみや、手術のみを補償するものもありますが、できれば通院・入院・手術すべてを幅広く補償するプランを選ぶのがおすすめです。

さらに、フラットコーテッド・レトリーバー手術がかかりやすいとされる病気は、いずれも手術が高額になりやすいため、もしものときの出費をカバーできるよう70%以上の高い補償割合のプランを選んだ方がいいでしょう。

ポイント2:特に手術の補償が充実していること

フラットコーテッド・レトリーバーがかかりやすい病気は、いずれも高額な手術を含む治療が必要になる可能性があります。
そのため、手術の補償が手厚いペット保険がおすすめです。

ペット保険の中には「1日に支払う保険金の限度額」と「1年に支払う保険金の限度回数」が決まっているものがあります。
手術費は数十万円と高額な費用がかかってくるので、それらの制限が低いと十分に補償してもらえません。

手術の補償を充実させたい場合には、最低でも手術の日額制限が10万円以上の補償があるプランがおすすめです。

また、年間に支払われる保険金の上限金額「年間補償限度額」も参考にしましょう。
基本的にこの「年間補償限度額」が高いほど補償が手厚いといえます。
手術とその後の通院なども考慮すると、最低でも80万円以上の設定になっているペット保険を選ぶとよいでしょう。

ポイント3:股関節形成不全を補償すること

ペット保険にはもともと補償されない病気(補償対象外項目)を設定しているものがあります。
もし、かかりやすい病気がその補償対象外項目に指定されていると、受診しても保険金は支払われません。
今回紹介したフラットコーテッド・レトリーバーがかかりやすい病気が補償対象外項目に指定されていないか確認してみたところ、「股関節形成不全」がいくつかのペット保険で補償対象外になっていることがわかりました。
受診する可能性を考えるとこのペット保険は選ばない方が良さそうです。

<股関節形成不全を補償対象外にしている保険会社>

  • 楽天少短(あんしんペット)
  • 日本ペットプラス(ガーデン)
  • アニマル俱楽部

フラットコーテッド・レトリーバーに適したペット保険の補償内容と保険料

上記の3つのポイントから、フラットコーテッド・レトリーバーに合うペット保険を選んでみましょう。
まず、ポイント1の「通院・入院・手術を70%以上で補償するペット保険」は13種類、「80%以上で補償するペット保険」も7種類ありました。0~15歳までに支払う保険料の合計金額が安い順に一覧にしました。
ポイント2の「手術の限度額が10万円以上、年間補償上限金額が80万円以上」ではアニマル俱楽部とペットライフジャパンの各プランが候補から外れます。
ポイント3の「股関節形成不全を補償する」により、この項目を補償対象外に設定している、あんしんペット、日本ペットプラス(ガーデン)、アニマル俱楽部を除外します。

70%補償するペット保険

会社名商品名生涯保険料(大型犬・15歳まで)年間補償限度額通院入院手術
FPCフリーペットほけん568,900 円85万円12,500円/日
年間30日まで
125,000円/入院
年間3入院まで
100,000円/回
年間1回まで
PS保険70%補償プラン685,890 円100万円10,000円/日
年間20日まで
20,000円/日
年間30日まで
100,000円/回
年間2回まで
日本ペットプラス(ガーデン)プラチナ70%プラン804,710 円70万円制限なし制限なし制限なし
楽天少短あんしんペットL840,910 円70万円制限なし制限なし制限なし
アクサ損保プラン70894,050 円70万円制限なし制限なし制限なし
SBIいきいき少短プラン70スタンダード987,070 円70万円制限なし制限なし制限なし
イーペットe-ペット701,073,750 円60万円制限なし制限なし制限なし
ペット&ファミリーげんきナンバーわんプラン701,089,130 円70万円制限なし制限なし制限なし
アニコム損保ふぁみりぃ70%プラン1,322,010 円84万円14,000円/日
年間20日まで
14,000円/日
年間20日まで
140,000円/回
年間2回まで
アイペット損保うちの子70%プラン2,132,870 円122万円12,000円/日
年間22日まで
30,000円/日
年間22日まで
150,000円/回
年間2回まで
au損保通院ありタイプ70%コース2,312,570円70万円制限なし制限なし制限なし

※表は横にスクロールできます。

80%以上補償するペット保険

会社名商品名補償割合生涯保険料(大型犬・15歳まで)年間補償限度額通院入院手術
PS保険100%補償プラン100%895,000 円100万円10,000円/日
年間20日まで
20,000円/日
年間30日まで
100,000円/回
年間2回まで
日本ペットプラス(ガーデン)プラチナ90%プラン90%1,034,710 円90万円制限なし制限なし制限なし
アニマル倶楽部オレンジプランⅡ100%692,760 円63万円5,000円/日
年間20日まで
10,000円/日
年間30日まで
30,000円/回
年間2回まで
アニマル倶楽部プレミアムオレンジプランⅡ100%766,320 円72万円5,000円/日
年間60日まで
10,000円/日
年間30日まで
60,000円/回
年間2回まで
アニマル倶楽部グリーンプランⅡ100%917,640 円126万円6,000円/日
年間60日まで
12,000円/日
年間60日まで
90,000円/回
年間2回まで

※表は横にスクロールできます。
※アニマル俱楽部の各プランは11歳までの保険でその後別プランに移行されるため、0歳から11歳までの年間保険料の合計を表示しています。12歳から15歳までのおおよその年間保険料を加えた位置にしています。

70%補償のペット保険では9種類、80%以上補償するペット保険では、PS保険のみが残りました。

70%補償のペット保険を絞り込むポイントとして、生涯保険料をみてみましょう。
同じ補償割合なのに、生涯保険料に大きな差額があることがわかります。高額になりがちな大型犬の保険料ですが、この中ではFPCとPS保険は80万円未満と安いことがわかります。3番目に安いアクサ損保の約90万円と比べても、20万円以上も差があります。

続いて、補償の手厚さを表す「年間補償限度額」を見てみましょう。他のペット保険が60万円~70万円が多い中、最安クラスのFPCとPS保険は85万円、100万円と手厚いことがわかります。
アニコム損保とアイペットも、生涯保険料は80万円以上と高額ですが、その分生涯保険料も高額になっています。

保険料の手ごろさと、補償の手厚さのバランスで考えると、FPC、またはPS保険がおすすめです。

ただし、FPCは手術が年1回までしか補償されないというデメリットがあります。

また、PS保険のペット保険は「生涯にわたって継続的に行っていく慢性疾患(心臓病など)の治療の場合は、最大でも一生涯20日まで補償」というデメリットがあります。
病気が完治したと判断された場合には日数がリセットされるようですが、同一原因により再発したときは、審査によっては20日を超えた分の通院補償がされない可能性があります。

それぞれの保険のデメリットも理解したうえで選ぶようにしたいですね。

フラットコーテッド・レトリーバーにおすすめ!「FPCのフリーペットほけん」「PS保険」の特徴

最後に、フラットコーテッド・レトリーバーにおすすめのペット保険「FPCのフリーペットほけん」「PS保険」の特長を確認してみましょう。

FPCのフリーペットほけん 70%補償プラン

  • 高齢になっても上がりにくい料金設計になっているので継続しやすい。
  • 通院を手厚く補償するが、手術補償は年間1度のみ。
  • 年間補償限度額が85万円と高額に設定してある。
  • カスタマーサービスにも定評がある。

PS保険の70%、100%補償プラン

  • 手術を年2回まで補償するので安心。通院も補償するが少し控えめな設定
  • 年間補償上限金額が100万円と業界トップクラス
  • 同一原因による手術は、2回目以降は補償の対象外
  • 生涯にわたって継続的に行っていく慢性疾患(心臓病、皮膚炎など)の治療の場合は、最大でも一生涯20日まで補償。

(参考)PS保険の補償の落とし穴

※PS保険は「同一原因による手術は、2回目以降は補償の対象外」「生涯にわたって継続的に行っていく慢性疾患(心臓病など)の治療の場合は、最大でも一生涯20日まで補償」という制約があります。病気が完治したと判断された場合には日数がリセットされるようですが、根本的な治療方法のない心臓病や腎臓病や再発しやすい外耳炎や皮膚病などを発症した場合には十分な補償が受けられないことがありますので、それを理解したうえで選んだ方が良さそうですね。

まとめ

かかりやすい病気に合わせてペット保険を選ぶと納得のできるプランを見つけやすくなります。以下のポイントを参考に、フラットコーテッド・レトリーバーに合った商品を探してみてください!

通院・入院・手術を高い割合で補償すること

特に手術の補償が充実していること

股関節形成不全を補償すること

フラットコーテッド・レトリーバーにおすすめのペット保険は「FPCのフリーペットほけん70%補償プラン」「PS保険の70%補償プラン」「PS保険の100%補償プラン」

当サイトではほかの犬種・猫種におすすめのペット保険についても紹介しています。
よろしければ以下のページも参考にしてみてください。