人が大好きで温和な性格の狆(チン)は、古くから愛玩犬として室内で可愛がられてきました。
シルクのような優雅な被毛、大きな瞳につぶれ鼻、軽くて華奢な体など、特徴の多い容姿を持つ狆ならではのかかりやすい病気には注意が必要です。狆がかかりやすい病気と、おすすめのペット保険をご紹介します。

日本古来の元祖家庭犬・狆

狆の性格

日本原産の小型犬「狆(チン)」は、732年に韓国から日本の宮廷に献上された犬が祖先犬であろうといわれています。横に広い顔はつぶれ鼻とやや離れた目が特長的で、シルクのように細く、ツヤのある繊細な被毛が優雅で気品に溢れた犬種です。

利口でおとなしい性格の狆は、外で元気に遊ぶよりも室内で飼い主とまったり過ごすのが好きで、かつて徳川綱吉時代の江戸城では、犬を室内で飼うことが珍しい中、大名や貴族達の間で“抱き犬”として室内で寵愛されていたそう。

こうした歴史から狆は日本の “元祖・家庭犬”ともいわれており、臭いや抜け毛が少ないこと、体重2~3㎏と体が小さいこと、運動量をそこまで必要としない犬種であることから室内犬として人気を博しました。

人懐こく優しい性格の狆は、小さな子供に対しても穏やかに接することができ、幼い子供がリードを引けば、子供の歩くスピードに合わせて散歩をするなど、心温まる行動を見せてくれる子が多いようです。
また、社交性が高い狆は他の犬とも上手に付き合うため、多頭飼いにも向いています。

飼い方の注意点

狆は体が小さく軽いため、幼稚園児や小学生など動きに勢いのある子供と遊んでいるときは、子供のやんちゃな行動で意図せず怪我を負ってしまわないよう注意しましょう。

人とスキンシップをとることを特に好む狆は留守番が苦手なため、長時間の留守番は極力避けるようにしましょう。一人暮らしの方で外出が多くなる場合は、愛犬を寂しくさせないよう留守番時には時折家族を呼んだり、ペットの預かりサービスを利用したりと、留守番がストレスにならないように工夫しましょう。

狆は抜け毛が少なくお手入れがラクといわれていますが、シルクのような被毛は細くて絡まりやすいため毛玉に注意が必要です。毎日のブラッシングと、こまめに濡れタオルで皮膚を拭くことで清潔な状態を保ちましょう。

かかりやすい病気とその治療費を知っておこう

「ちいさいいぬ」という言葉が変化してその名がつけられた狆は、小さな体を持つ小型犬がかかりやすい病気に注意が必要です。狆がかかりやすい「白内障」「膝蓋骨脱臼」「皮膚炎」の特徴や治療費についてご紹介します。

白内障

目の水晶体が白く濁り、視力が低下してしまう病気を「白内障」といいます。症状が軽度の場合は白濁の状態を確認でき、歩くことを嫌がったり、周りのものにぶつかったりと、視覚障害があらわれます。
発症の原因は主に老化ですが、ペキニーズは目が大きいということもあって傷ついたり打撲したりすることで発症することが多くあります。目に異常がないか、常にチェックするようにしましょう。

【治療費について】
症状が軽度でまだ視力が残っている場合は、内服薬と点眼薬の投与によって進行を抑えます。視力がほとんど失われてしまった場合は、視力を取り戻す外科手術を行うことがあり、手術後の合併症やケアなど、獣医師とよく相談することが大切です。

通院手術・入院(2~5日)
治療費3,000 ~ 5,000円/回8万 ~ 15万円

内服薬の投与は一度で3,000~5,000円程度ですが、通院は一生続けなければなりません。手術をする場合は、入院費など含めて10万~20万円と高額になってしまいます。
手術だけでなく、長期的な通院も補償してくれるプランを選ぶことが、大切になります。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨(しつがいこつ)とは、後足の膝前面にある骨のことで、いわゆる「膝のお皿」です。これが正常な位置からずれた状態を膝蓋骨脱臼といいます。

狆は華奢で小さな体をしており、室内を歩き回るだけでも十分なほど運動量の少ない犬種です。ソファや階段など高さのあるところからのジャンプや散歩のし過ぎ、子供や大型犬、家具などへの不慮の衝突には十分に注意しましょう。

膝蓋骨脱臼の状態になると、脱臼した側のうしろ足を地面に付けずに、ぴょんぴょんと飛び跳ねるように歩いたりします。症状が軽いうちは、自然にもとに戻るため、飼い主もさほど気に留めずに放置してしまい、重症化して手術が必要になることがあります。

転倒などの外的要因で脱臼を起こすこともありますが、小型犬の場合、生まれつき膝周りが脱臼しやすいつくりになっている場合が多いため、より注意が必要です。
膝蓋骨脱臼は症状の重症度が4段階に分けられ、「グレード1」では普段の生活にはあまり影響は出ませんが、「グレード4」になるといつも脱臼した状態になるので歩行困難になってしまいます。

【治療費について】
症状が軽ければ、痛み止めの投与など、内科的治療を行うこともありますが、グレード3以上になると基本的に手術を行います。

通院(投薬治療)手術・入院(4日)
治療費2,000~1万円/月15万~30万円

手術をする場合、完治までの治療費は15万~30万円と多くの費用が必要です。手術後はリハビリを行う場合もあるので、治療費は多めに見積もる必要があります。手術費は高額になるので、手術にも備えられるペット保険に入っておくと安心です。しかし、膝蓋骨脱臼を補償しないペット保険もあるので注意してください。

皮膚炎

皮膚炎は皮膚に汚れやアレルゲンがたまることで発症してしまいます。狆は皮膚炎になりやすい犬種のため、皮膚を清潔に保とうとするあまりシャンプーをし過ぎてしまわないよう注意しましょう。シャンプーは月に1回程で十分です。
皮膚炎になると、皮膚に炎症が起こってかゆみを感じるようになります。脚の付け根や指の間、脇の下、耳や目のまわりなど皮膚が弱い部分に症状が出やすくなるようなので、こまめにチェックしてあげてください。

【治療費について】
細菌感染が原因の場合は、抗生物質を含む内服薬や塗り薬を与え、痒みが強い場合は抗炎症剤を投与します。
アレルギーが原因の場合は、アレルゲンを特定する検査も行われます。冷暖房器具から空気中にアレルゲンをまき散らしてしまっている可能性もあるので、綺麗に掃除をし、加湿器などで乾燥対策をしてください。

通院(通算5~10回)
治療費3,000 ~ 5,000円/回

完治するまで、定期的に通院が必要になり、最終的に1~5万円の治療費が必要になります。
皮膚炎は再発する場合もあるので、長期の通院を補償してくれるペット保険を選ぶと、家計の負担も抑えられます。

狆におすすめのペット保険を選びのポイントは3つ

かかりやすい病気を見てみると狆にどんなペット保険が合っているのか見えてきますね。
ペット保険を選ぶポイントを3つにまとめてみました!

ポイント1:免責金額が設定されていないこと

ペット保険はプランによって免責金額が設定されているものがあります。
免責金額があると、設定されている金額分は補償されません。
例えば、免責金額が5,000円で、1回の治療が3,000円なら一切補償が受けられないということになります。そんなことになるとペット保険に入っている意味がないですよね。

 1日にかかる平均治療費
通院¥8,000
入院¥12,000
手術¥100,000

1日にかかる平均治療費を調査したところ、表のような結果になりました。
通院の1日にかかる平均治療費は8,000円ですが、通院は診察と処置だけだと1,000~4,000円になることもあります。
狆は皮膚炎で通院が多くなりがちなので、しっかりと補償を受けるためにも免責金額がないペット保険をおすすめします。

ポイント2:長期の通院・ある程度の手術を補償すること

ペット保険の補償内容には1日に支払える限度額と1年に補償できる限度回数が決められているものがあります。
その場合、目安として通院の限度額は平均治療費の8,000円以上、また、回数はできれば無制限、最低でも20日以上あるものを選ぶとよいでしょう。

また、白内障や膝蓋骨脱臼で手術をすることを考えて、手術補償は最低でも1回につき10万円以上補償するペット保険がおすすめです。

さらに、年間で支払われる保険金の上限金額「年間補償限度額」のチェックも欠かせません。
限度額・限度回数に制限がないペット保険の場合は、年間補償限度額まで補償を受けることができます。
基本的に年間補償限度額が高いほど補償が手厚いといえるので、最低でも50%補償の場合は50万円以上、70%補償の場合は70万円以上の設定になっているペット保険を選びましょう。

ポイント3:膝蓋骨脱臼を補償すること

ペット保険にはもともと補償されない病気(補償対象外項目)を設定しているものがあります。
もし、かかりやすい病気がその補償対象外項目に指定されていると、受診しても保険金は補償されません。
そこで、狆がかかりやすい病気が補償対象外項目に指定されていないか確認してみました。
すると「膝蓋骨脱臼」がいくつかのペット保険で補償対象外になっていることが分かりました。
膝蓋骨脱臼で受診する可能性を考えるとこれらのペット保険は選ばない方が良さそうです。

<膝蓋骨脱臼を補償対象外にしている保険会社>

  • ペット&ファミリー(げんきナンバーわん)
  • 楽天少短(あんしんペット)
  • 日本ペットプラス(ガーデン)
  • アニマル俱楽部
  • SBIいきいき少短

(参考)ペット保険のトラブルを避けるには?保険がおりない、更新できないことも!?

狆に適したペット保険の補償内容と保険料

狆に合うペット保険はどれなのでしょうか?先ほど紹介した3つのポイントで探してみましょう。

狆がかかりやすい病気の治療方法を見てみると、通院や手術での治療が必要になります。
通院・入院・手術の全てを補償し、ポイント1の「免責金額がないペット保険」がおすすめです。ペット保険の補償割合は、50%~100%補償のものまで様々ですが、今回は一般的な補償割合である50%補償、70%補償のペット保険から選んでみましょう。

候補のペット保険を15歳までに支払う生涯保険料の安い順に並べた一覧がこちらです。

50%補償するペット保険

会社名商品名補償割合生涯保険料(小型犬・15歳まで)年間補償限度額通院入院手術
FPCフリーペットほけん50%392,250 円85万円12500円/日
年間30日まで
125,000円/日
年間3入院まで
100,000円/回
年間1回まで
PS保険50%補償プラン50%435,950 円100万円10,000円/日
年間20日まで
20,000円/日
年間30日まで
100,000円/回
年間2回まで
SBIいきいき少短プラン50スタンダード50%442,400円50万円制限なし制限なし制限なし
日本ペットプラス(ガーデン)プラチナ50%プラン50%455,150 円50万円制限なし制限なし制限なし
イーペットe-ペット5050%563,290 円60万円制限なし制限なし制限なし
ペット&ファミリーげんきナンバーわんプラン5050%584,660 円50万円制限なし制限なし制限なし
アクサ損保プラン5050%619,260 円50万円制限なし制限なし制限なし
アニコム損保ふぁみりぃ50%プラン50%699,140 円60万円10,000円/日
年間20日まで
10,000円/日
年間20日まで
100,000円/回
年間2回まで
アイペット損保うちの子50%プラン50%905,540 円72.8万円12,000円/日
年間22日まで
12,000円/日
年間22日まで
100,000円/回
年間2回まで
au損保通院ありタイプ50%コース50%920,160円50万円制限なし制限なし制限なし

※表は横にスクロールできます。

70%補償するペット保険

保険会社名商品名割合生涯保険料(中型犬・15歳まで)年間補償限度額通院入院手術
FPCフリーペットほけん70%補償プラン70544,600 円8512,000円/日
年間30日まで
125,000円/入院
年間3入院まで
100,000 円/回
年間1回まで
PS保険70%補償プラン70630,980円10010,000円/日
年間20日まで
20,000円/日
年間30日まで
100,000円/回
年間2回まで
日本ペットプラス(ガーデン)プラチナ70%プラン70698,890円 70制限なし制限なし制限なし
SBIいきいき少短プラン70スタンダード70730,030円70制限なし制限なし制限なし
イーペットe-ペット7070760,140円60制限なし制限なし制限なし
楽天少短あんしんペットL70762,210円70制限なし制限なし制限なし
ペット&ファミリーげんきナンバーわんプラン7070819,590円70制限なし制限なし制限なし
アクサ損保プラン7070874,680円70制限なし制限なし制限なし
アニコム損保ふぁみりぃ70%プラン70964,770円8414,000円/日
年間20日まで
14,000円/日
年間20日まで
140,000円/回
年間2回まで
アイペット損保うちの子70%プラン701,192,240円12212,000円/日
年間22日まで
30,000円/日
年間22日まで
150,000円/回
年間2回まで
au損保通院ありタイプ70%コース701,243,960円70制限なし制限なし制限なし

※表は横にスクロールできます。

ポイント2の「通院は限度額が8000円以上、限度日数が20日以上、手術は1回10万円以上、年間補償上限金額が50万円・または70万円以上」では、すべてのペット保険が条件を満たしていました。

ポイント3の「膝蓋骨脱臼を補償する」では、膝蓋骨脱臼を補償対象外項目に指定しているSBIのいきいき少短、日本ペットプラス(ガーデン)、ペット&ファミリー、あんしんペットは除外できます。

その結果、50%補償は7種類、70%補償は8種類の候補が残りました。
これらは補償内容を数字で見るとすべて十分な内容であるといえるので、もう一つ重要なポイント「保険料」で比較していきましょう。

ペット保険の保険料は、若いときは安く高齢になるほど高くなります。
そのためペット保険の保険料を比較する際には一生涯にかかる保険料で比較することが重要です。
それぞれの生涯保険料(0~15歳までの保険料の合計)を比べてみると、50%補償なら50万円以下、70%補償なら70万円以下のものが比較的リーズナブルで継続しやすいペット保険と言えます。

その条件に合うのは50%、70%とも「FPC」「PS保険」「日本ペットプラス(ガーデン)」がおすすめのペット保険ですが、PS保険は気になるデメリットがあります。

PS保険の50%補償プラン、70%補償プラン

PS保険のデメリットは「生涯にわたって継続的に行っていく慢性疾患(心臓病や皮膚病など)の治療の場合は、最大でも一生涯20日まで補償」というものです。

病気が完治したと判断された場合には日数がリセットされるようですが、同一原因による皮膚炎などの再発については、審査内容によっては20日を超えた分の通院補償がされない可能性があります。

狆がかかりやすい皮膚炎や外耳炎は、長期の通院が続くことが多い病気のため、これらを発症した場合には十分な補償が受けられないことがあります。
たとえ生涯保険料が安くても選ばない方が良さそうです。

(参考)PS保険(ペットメディカルサポート)の通院・入院補償の落とし穴

このように、ペット保険にはあまり目立っていないデメリットが隠されている場合があるので、それぞれの特徴をよく確認したうえでペット保険を選ぶ必要があります。
なおFPC、日本ペットプラス(ガーデン)については、狆がかかりやすい病気で紹介した病気も補償してくれそうなのでおすすめです。

狆におすすめ!「FPCのフリーペットほけん50%補償プラン、70%補償プラン」「日本ペットプラス(ガーデン)プラチナ50%プラン、プラチナ70%プラン」の特徴

狆におすすめのペット保険として選ばれた「FPCのフリーペットほけん」「日本ペットプラス(ガーデン)」は、どんな特徴があるのでしょうか?
ポイントをまとめたので、こちらも保険選びの参考にしてみてください!

FPCのフリーペットほけん

  • 高齢になっても上がりにくい料金設計になっているので継続しやすい。
  • 通院を手厚く補償するが、手術補償は年間1度のみ。
  • 年間補償限度額が85万円と高額に設定してある。
  • カスタマーサービスにも定評がある。

SBIのいきいき少短

SBIいきいき

  • 保険料が安く、気軽に加入しやすい。
  • 回数や金額を気にせず自由に請求できるが、年間補償限度額は最低ラインの50万円に設定してある。
  • 膝蓋骨脱臼、椎間板ヘルニアは補償対象外項目に指定されている。
  • 病気の場合は補償開始日から1ヶ月の待機期間がある。

まとめ

ペット保険の種類が多くどれにするか決めかねているという方は、ペットがかかりやすい病気に合わせてペット保険を選んでみてもいいかもしれません。以下のポイントを参考に、狆に合った商品を探してみてください!

免責金額が設定されていないこと

長期の通院・ある程度の手術を補償すること

膝蓋骨脱臼を補償すること

狆におすすめのペット保険は「FPCのフリーペットほけん50%補償プラン、70%補償プラン」「日本ペットプラス(ガーデン)プラチナ50%プラン、プラチナ70%プラン」

当サイトではほかの犬種・猫種におすすめのペット保険についても紹介しています。
よろしければ以下のページも参考にしてみてください。