筋肉で覆われた大きな体をもつマスティフは、軍用犬や闘犬として活躍した過去をもつパワフルな犬種です。非常に屈強な体つきで病気にはなりにくいと思わがちですが、油断は禁物です。マスティフがかかりやすい病気を知り、それにあったペット保険を選んで万が一に備えましょう。

マスティフは並外れたパワーをもつ犬種

マスティフの魅力

イギリス原産のマスティフは非常に古い歴史をもつ犬種で、祖先犬はチベタン・マスティフだとされています。もともとは軍用犬や闘犬として活躍しており、ライオンやクマなどと互角に戦っていたとの話もあります。

しかし、動物愛護の観点から闘犬が禁止され、マスティフは絶滅寸前まで追い込まれてしまいます。そのまま絶滅してしまうかと思われましたが、愛好家による熱心な繁殖で絶滅を回避することに成功し、現在は番犬もしくはペットとして愛されています。

そんなマスティフは、非常に大きな体をしています。体重は90kg近くもあり、2本足で立つと成人男性と同じくらいの身長になります。この大きな体にはしっかりと筋肉がついており、並外れたパワーとアグレッシブな動きを可能にしてくれます。

かなりいかつい見た目をしているマスティフは攻撃的で獰猛そうなイメージを抱かれることが多いですが、実際の性格は穏やかです。落ち着きもあり、飼い主に対しては深い愛情を示してくれます。いかつい見た目で甘えてくる姿に魅力を感じる人も多いのだとか。

さらに、マスティフは飼い主を守ろうとする「護衛能力」が強い犬種です。飼い主が危険にさらされた場合、なんとしてでも助けようとするでしょう。番犬としては非常に優秀であり、まるでボディガードのような役割を担ってくれます。

マスティフの毛色には、アプリコット、フォーン、ブリンドルなどがあります。どの毛色であっても口周りや目はブラックであることが好ましいとされています。

飼い方の注意点

マスティフは超大型犬に分類されるほど大きな体を持っていますので、住まいは広くなければなりません。マスティフが自由に歩き回れるくらい余裕のあるスペースを準備しましょう。手狭なところに押し込めてしまうと、骨が変形したり、ストレスに繋がったりする恐れがあります。

また、体の大きなマスティフを飼育するには莫大な費用がかかります。ご飯を大量に食べるため食費がかさみ、トリミングサロンでは1万近くかかることもあります。本当にそれだけの飼育費用を払い続けられるのか、マスティフをお迎えする前に確認する必要があるでしょう。

マスティフは基本的に穏やかな性格をしていますが、時に攻撃的な一面を見せることがあります。攻撃的な一面はトラブルに発展する恐れがあるため、子犬の頃からしつけをしてコントロールしなければなりません。犬を初めて飼う方が扱うには少々難しく、どちらかというと上級者向けの犬種であるといえます。

かなりの運動量を必要とするマスティフには、毎日の散歩が必須です。60分ほどの散歩を1日2回行うことが理想とされています。運動量が足りていないと、ストレスから問題行動に走る恐れがありますので、注意してください。

筋肉質のマスティフは力が強く、お年寄りや子どもがリードを持つと引っ張られて転んでしまうかもしれません。特に体重が軽い子供は、そのまま引きずられてしまうことも。散歩の際は、必ずマスティフを制御できる大人がリードを持つようにしてください。

かかりやすい病気とその治療費を知っておこう

マスティフも気を付けなければならない病気があります。
ここでは、マスティフがかかりやすいといわれる「股関節形成不全」「胃拡張・胃捻転」「進行性網膜萎縮症」についてご紹介します。

股関節形成不全

太ももの骨と骨盤をつなぐ股関節に異常が起きた状態を「股関節形成不全」といいます。
健康な犬は成長とともに骨盤も大きくなりますが、発症している犬は骨が不完全で、太ももの骨とうまく連結できないために起こります。
股関節形成不全は大型犬に多く、マスティフも注意しなければなりません。毎日運動し筋肉量を増やしたり、肥満による股関節への負担をかけないように食事の管理をしたり気を付けましょう。運動を嫌がる、スキップのような特徴的な歩き方をしている場合は動物病院を受診してください。

【治療費について】
骨が発達していない成長期の段階や、症状が軽度の場合は、股関節の正常な成長や悪化の防止のため安静療法をとります。
症状が進み、痛みが生じている場合は、鎮痛剤や抗炎症剤などの投薬治療を行います。さらに症状が進行している場合は、外科手術が必要になることもあります。

通院(通算5~10日)手術・入院(2~5日)
治療費2,000~5,000円/回10~55万円

内服薬の投与や症状の緩和には時間がかかるため、通院の場合は1~5万円の治療費が必要となります。また手術を行う場合の治療費は、手術内容によって異なりますが、入院費を含めて10~55万円と高額になる可能性があります。
治療に専念するためにも、手術にしっかり備えることができるプランを選びましょう。

胃拡張・胃捻転

胃の中のガスや空気が異常に膨らんでしまった状態を「胃拡張」といい、それがねじれてしまった状態や、胃の出口とつながっている十二指腸が胃を締め付けてしまう状態を「胃捻転」といいます。その結果、血流が悪くなったり、周りの臓器を圧迫したりすることがあります。
食事のとりすぎや水の飲みすぎ、食後すぐの運動などによって胃拡張・胃捻転を発症する場合があります。発症の原因は遺伝やストレス、高齢などさまざまなものが挙げられます。主に大型犬に多く見られ、マスティフも発症しやすいといわれています。

【治療費について】
X線検査によって、胃の状態を確認します。胃拡張の段階では、胃にカテーテルを入れ、ガスや内容物を除去して洗浄します。
胃捻転の場合は、ねじれた胃を正常に戻し、胃が動かないように固定する胃固定術を行います。この場合、早急な外科手術が必要となります。

通院(通算2~5回)手術・入院(3~5日)
治療費2,000~5,000円/回15~20万円

通院の場合は5,000~3万円、手術をする場合は、検査費や入院費を含めて15~20万円と高額になる場合があります。また再発する可能性が高い病気といわれているため、長期的な通院が必要となることがあります。通院・手術・入院補償の限度額・限度回数を確認して、ペット保険を選ぶことが大切です。

進行性網膜萎縮症

別名PRAとも言われている、マスティフがかかりやすい眼の病気です。
「進行性」という名がつく通り、一度発症してしまえばどんどん病状が進行していき、最終的には失明に至ります。遺伝性疾患であるため、この病気の遺伝子を持っている子は早くて1歳、遅くて7歳頃から症状が現れます。
初期症状は、夜に目が見えなくなるという「夜盲症」から始まります。
歩くのを怖がる、何かにぶつかるといったなんらかの異常な行動が見られるため、大体はこの時点で気づくでしょう。やがて昼でも見えづらくなってしまうので、日常的な生活が困難になってきます。

【治療費について】
有効な治療法は見つかっておらず、主に進行を遅くするために薬を服用することがほとんどです。
この病気にかかると、白内障や緑内障を発症する恐れがあるため、定期的な通院や検査が必要になります。

通院
治療費5,000~1万円/回

進行性網膜萎縮は、定期的な通院が長期間続く可能性があります。
そのため、通院回数に制限がない、あるいは回数が多めに(20日以上~)設定してあるペット保険を選ぶことがポイントです。

マスティフにおすすめのペット保険を選びのポイントは3つ

かかりやすい病気を見てみるとマスティフにどんなペット保険が合っているのか見えてきますね。
ペット保険を選ぶポイントを3つにまとめてみました!

ポイント1:免責金額が設定されていないこと

ペット保険はプランによって免責金額が設定されているものがあります。
免責金額があると、設定されている金額分は補償されません
例えば、免責金額が5,000円で、1回の治療が3,000円なら一切補償が受けられないということになります。そんなことになるとペット保険に入っている意味がないですよね。

 1日にかかる平均治療費
通院¥8,000
入院¥12,000
手術¥100,000

1日にかかる平均治療費を調査したところ、このような結果になりました。
通院の1日にかかる平均治療費は8,000円ですが、通院は診察と処置だけだと1,000~4,000円になることもあります。
マスティフは進行性網膜萎縮症で通院が多くなりがちなので、しっかりと補償を受けるためにも免責金額がないペット保険をおすすめします。

ポイント2:長期の通院・ある程度の手術を補償すること

ペット保険の補償内容には1日に支払える限度額と1年に補償できる限度回数が決められているものがあります。
その場合、目安として通院の限度額は平均治療費の8,000円以上、また、回数はできれば無制限、最低でも20日以上あるものを選ぶとよいでしょう。

また、股関節形成不全や胃拡張・胃捻転で手術をすることを考えて、手術補償は最低でも1回につき10万円以上補償するペット保険がおすすめです。

さらに、年間で支払われる保険金の上限金額「年間補償限度額」のチェックも欠かせません。
限度額・限度回数に制限がないペット保険の場合は、年間補償限度額まで補償を受けることができます。
基本的に年間補償限度額が高いほど補償が手厚いといえるので、最低でも50%補償の場合は50万円以上、70%補償の場合は70万円以上の設定になっているペット保険を選びましょう。

ポイント3:股関節形成不全を補償すること

ペット保険にはもともと補償されない病気(補償対象外項目)を設定しているものがあります。
もし、かかりやすい病気がその補償対象外項目に指定されていると、受診しても保険金は補償されません。

今回紹介したマスティフがかかりやすい病気が補償対象外項目に指定されていないか確認してみたところ、「股関節形成不全」がいくつかのペット保険で補償対象外になっていることがわかりました。
受診する可能性を考えるとこのペット保険は選ばない方が良さそうです。

<股関節形成不全を補償対象外にしている保険会社>

  • 楽天少短(あんしんペット)
  • 日本ペットプラス(ガーデン)
  • アニマル俱楽部

(参考)ペット保険のトラブルを避けるには?保険がおりない、更新できないことも!?

マスティフに適したペット保険の補償内容と保険料

マスティフに合うペット保険はどれなのでしょうか?先ほど紹介した3つのポイントで探してみましょう。

マスティフがかかりやすい病気の治療方法を見てみると、通院や手術での治療が必要になります。
通院・入院・手術の全てを補償し、ポイント1の「免責金額がないペット保険」がおすすめです。ペット保険の補償割合は、50%~100%補償のものまで様々ですが、今回は一般的な補償割合である50%補償、70%補償のペット保険から選んでみましょう。

候補のペット保険を15歳までに支払う生涯保険料の安い順に並べた一覧がこちらです。

50%補償するペット保険

会社名商品名補償割合生涯保険料(大型犬・15歳まで)年間補償限度額通院入院手術
FPCフリーペットほけん50%補償プラン50%455,400 円85万円12500円/日
年間30日まで
125,000円/入院
年間3入院まで
100,000円/回
年間1回まで
PS保険50%補償プラン50%537,190 円100万円10,000円/日
年間20日まで
20,000円/日
年間30日まで
100,000円/回
年間2回まで
日本ペットプラスプラチナ50%プラン50%575,010 円50万円制限なし制限なし制限なし
アクサ損保プラン5050%675,160 円50万円制限なし制限なし制限なし
SBIいきいき少短プラン50スタンダード50%705,050 円50万円制限なし制限なし制限なし
イーペットe-ペット5050%774,430 円60万円制限なし制限なし制限なし
ペット&ファミリーげんきナンバーわんプラン5050%815,830 円50万円制限なし制限なし制限なし
アニコム損保ふぁみりぃ50%プラン50%904,520 円60万円10,000円/日
年間20日まで
10,000円/日
年間20日まで
100,000円/回
年間2回まで
アイペット損保うちの子50%プラン50%1,577,340 円72.8万円12,000円/日
年間22日まで
12,000円/日
年間22日まで
100,000円/回
年間2回まで
au損保通院ありタイプ50%コース50%1,683,460円50万円制限なし制限なし制限なし

※表は横にスクロールできます。

70%補償するペット保険

保険会社名商品名割合生涯保険料(大型犬・15歳まで)年間補償限度額通院入院手術
FPCフリーペットほけん70%補償プラン70568,900 円8512,000円/日
年間30日まで
125,000円/入院
年間3入院まで
100,000 円/回
年間1回まで
PS保険70%補償プラン70685,89010010,000円/日
年間20日まで
20,000円/日
年間30日まで
100,000円/回
年間2回まで
日本ペットプラスプラチナ70%プラン70804,71070制限なし制限なし制限なし
楽天少短あんしんペットL70840,91070制限なし制限なし制限なし
アクサ損保プラン7070894,05070制限なし制限なし制限なし
SBIいきいき少短プラン70スタンダード70987,07070制限なし制限なし制限なし
イーペットe-ペット70701,073,75060制限なし制限なし制限なし
ペット&ファミリーげんきナンバーわんプラン70701,089,13070制限なし制限なし制限なし
アニコム損保ふぁみりぃ70%プラン701,322,0108414,000円/日
年間20日まで
14,000円/日
年間20日まで
140,000円/回
年間2回まで
au損保通院ありタイプ70%コース701,028,98070制限なし制限なし制限なし
アイペット損保うちの子70%プラン702,132,87012212,000円/日
年間22日まで
30,000円/日
年間22日まで
150,000円/回
年間2回まで

※表は横にスクロールできます。

ポイント2の「通院は限度額が8000円以上、限度日数が20日以上、手術は1回10万円以上、年間補償上限金額が50万円・または70万円以上」では、イーペットのe-ペット70のみ候補から外れます。

ポイント3の「股関節形成不全を補償する」では、あんしんペットと日本ペットプラスが補償対象外項目に指定しているので除外できます。

その結果、50%補償は9種類、70%補償は8種類の候補が残りました。
これらは補償内容を数字で見るとすべて十分な内容であるといえるので、もう一つ重要なポイント「保険料」で比較していきましょう。

ペット保険の保険料は、若いときは安く高齢になるほど高くなります。
そのためペット保険の保険料を比較する際には一生涯にかかる保険料で比較することが重要です。
それぞれの生涯保険料(0~15歳までの保険料の合計)を比べてみると、50%補償なら60万円以下、70%補償なら70万円以下のものが比較的リーズナブルで継続しやすいペット保険と言えます。

そう考えると「FPC」と「PS保険」がおすすめの2つのペット保険ですが、PS保険は気になるデメリットがあります。

PS保険の50%補償プラン、70%補償プラン

PS保険のデメリットは「生涯にわたって継続的に行っていく慢性疾患(心臓病や皮膚病など)の治療の場合は、最大でも一生涯20日まで補償」というものです。

病気が完治したと判断された場合には日数がリセットされるようですが、同一原因による皮膚炎などの再発については、審査内容によっては20日を超えた分の通院補償がされない可能性があります。

マスティフがかかりやすい進行性網膜萎縮症は、長期の通院が続くことが多い病気のため、これらを発症した場合には十分な補償が受けられないことがあります。
たとえ生涯保険料が安くても選ばない方が良さそうです。

(参考)PS保険(ペットメディカルサポート)の通院・入院補償の落とし穴

このように、ペット保険にはあまり目立っていないデメリットが隠されている場合があるので、それぞれの特徴をよく確認したうえでペット保険を選ぶ必要があります。
なおFPCについては、マスティフがかかりやすい病気で紹介した病気も補償してくれそうなのでおすすめです。

マスティフにおすすめ!「FPCのフリーペットほけん50%補償プラン、70%補償プラン」の特徴

マスティフにおすすめのペット保険として選ばれた「FPCのフリーペットほけん」は、どんな特徴があるのでしょうか?
ポイントをまとめたので、こちらも保険選びの参考にしてみてください!

FPCのフリーペットほけん

  • 高齢になっても上がりにくい料金設計になっているので継続しやすい。
  • 通院を手厚く補償する。入院と手術もカバーするが、手術補償は年間1度のみ。
  • 年間補償限度額が85万円と高額に設定してある。
  • カスタマーサービスにも定評がある。

まとめ

ペット保険の種類が多くどれにするか決めかねているという方は、ペットがかかりやすい病気に合わせてペット保険を選んでみてもいいかもしれません。以下のポイントを参考に、マスティフに合った商品を探してみてください!

免責金額が設定されていないこと

長期の通院・ある程度の手術を補償すること

股関節形成不全を補償すること

マスティフにおすすめのペット保険は「FPCのフリーペットほけん50%補償プラン、70%補償プラン」

当サイトではほかの犬種・猫種におすすめのペット保険についても紹介しています。
よろしければ以下のページも参考にしてみてください。